とうとうすべてのストーリーが完結しました。
最終話冒頭で、宗佑(錦戸亮)の死が明らかになる。 遺書には美しい文面が綴られている。
美知留へ
さよなら美知留。 君を自由にしてあげるよ。 生きてる限り、僕は君を縛ってしまう。 だから、君に自由をあげるには、この心臓を止めるしかない。 僕は君のすべてになりたかった。 君の見る世界のすべて、君を照らす光のすべて、 君の感じる喜びのすべてでありたかったんだ。 どこまでも、いつまでも僕は君と一つでいたかった。 でも君は、僕のいない世界に幸せをみつけてしまったんだね。 だから僕は行くよ。 せめて、まだ君のぬくもりが、この手に残っているうちに。 君と一つになれたことを、この体が覚えているうちに。 ごめんね。君の笑顔が大好きだったのに 笑わせてあげられなくて。 ごめんね。愛し方がわからなくて。 ごめんね。僕が君を幸せにできなくて。 さよなら美知留。幸せにね。
こうして、文章を読んでいると、宗佑にも同情してしまいたくもなるのだが、彼がこれまで、ミチル(長澤まさみ)や、ルカ(上野樹里)、タケル(瑛太)にしてきたことを考えれば、同情などとんでもない。まず、あくまでも第三者的な立場で言うなら、死ぬのは勝手だけれど、周りの人を巻き込んで死んでゆくのは止めて欲しい。という気持ちになる。
彼のこのような形の死によって、ミチルの心は永久に傷ついた部分を持つことになったんだから。これでは、結局誰が被害者なのかも分からなくなりかねない。とんでもないということも言える彼の身勝手な死であった。最終話では、ルカも彼の死について批判していたが、同感であった。
しかし、ミチルの立場からすれば、必ずしもそういうことにはならないのかもしれない。きっと、彼女の心の中には、一言では表現できないような複雑な心境や思いがあるに違いない。良くも悪くも、運命的な出会いなんだから。二人の関係というものは、他人が善悪を語る以上の何かしらの深い事情があるのだろうし、彼女自身にとっては、そこからなにがしかを学び、知るために、与えられた出会いだったんだろうと思う。
宗佑の死の後、しばらくして、タケルとルカは、ミチルに会うために、バイクで銚子へと向かう。途中、ダンプカーと正面衝突しそうになり、これで終わりかと思ったけれど、かすり傷であった。これが伏線になって、病院で3人が再会することになるのだが、この事故のシーンは、私個人の感想では、「ちょっと妙だな」というものだった。このドラマで唯一、とってつけたようなシーンに感じられた。
前回も書いたけれど、スタート時点の脚本ではもしかすると、ここで2人(又はルカのみ)が死ぬという選択肢もあったのではないだろうか。(まあここじゃなくてもいいんだけど)そして、それを知らないままミチルは、銚子で静かに暮らしてゆく。でもそうなると、第一話の海をみつめながらの彼女のセリフ(『もう会えないんだね』)という話が少し矛盾を生じるかもしれないから、それ以前の段階で、何らかの形で死を知るということもあると思うんだけれど。
というのも、ラストフレンズというタイトルを考えると、どうしてもちょっとズレを感じてしまう。何度か、「My dear, friends. You are my last friends.」というセリフが出たけれど、どうもしっくりいかない感じがしたのだ。ネイティブの人にこの表現をする場合の印象を聞いてみようとかなと思っているのだが、、。
結局、予想以上に評判が上がったので、次回作かスペシャル版などの作成も考えて、3人とも生きたままにしたとか。
でも、そういうふうにやたらと悲劇的にして、名作っぽく終わるよりも、最終話の最終シーンのような、青春グラフィティー的なまとめ方は、終わってみれば、そのほうがずっと気持ちいいと思ったし、その前向きさがとても良いなと感じたりもした。
そして、特別編の一番最後の部分で、タケルが姉からの電話を受けたシーンがあり、いままでは、電話の相手が姉だと知るだけで体が震えていたタケルだったが、もうそのようなこともなく、しっかりと姉に対して今の自分を語り、姉の幸せをも願えるようになっていた。
「自分には家族が出来たんだ。- 中略 - だから、決して許すことができないと思っていたお姉さんのことも、今は許し、幸せをも願っているよ。」
このセリフには感動させられたし、このシーンを見て、終盤のストーリー展開に充分納得することができた。本当に良い終わり方だったと思う。
結果、このドラマに救われた気持ちになった人、これからの自分の人生にとても大きなヒントを得られたと感じた人は多かったのではないだろうか。
このドラマでは、さまざまな『愛』と言われる形態がテーマになったけれど、何が本当に求められるべき『愛』であるか、もっと言えば、『愛』という、一人歩きしているこの言葉の本当の意味を教えてくれたように思う。
そして最後に、このドラマの出演者である、長澤まさみさん、上野樹里さん、瑛太さん、錦戸亮さん、水川あさみさん、山崎樹範さん。みなさん本当に素晴らしいドラマを提供してくれてありがとうございました。このドラマがきっかけになって、これから日本のドラマ界の主要な役者として成長されることは間違いないと思いますし、これからの作品も楽しみにしています。そしてとても期待しています。これからも頑張ってください!
そして、本当に最後に、少し余談になるけれど、このドラマの視聴者の中にもDV被害者や加害者の方がいると思いますし、もしかするとこのサイトをご覧いただいている人の中にもいるかもしれないと思い、ちょっとヒントになるかもしれないことを下記に書いてみることにしました。これはある依存症を克服した女性の話ですが、根っこは良く似ているように思えました。自分自身への参考のためにも、覚え書き程度に書き記しておこうと思います。なかなかいい話でした。
最終話が終わって少しした後、いつだったか忘れたが、夜遅くに、依存症を克服した一人の女性の話をしていた。彼女は、大学を出るまでは、成績も優秀で、エリート意識も高かった。しかし就職後、自分に与えられた業務が、自分がこれまで抱いていた人生とあまりにも落差があったことで、絶望してしまう。
そして、だんだんとセックスにのめりこむようになり、セックス依存症になってしまったらしい。ついに仕事中にも出会い系サイトで男を漁るようになり、上司にそれがばれて厳しい忠告を受け、非常なショックを受ける。それがきっかけでカウンセリングを受けることにし、ついにそれを克服したということらしいが、彼女がその時にテレビで語っていたこと、
「セックス依存症だけでなく、あらゆる依存症と呼ばれるような症状を克服したければ、自分が持つ最も深い欲望は何かを理解することが必要。その作業は自分自身にとって、非常に辛い作業になるけれど、それを知りそこを乗り越えることができれば、依存症は克服できます。それ以外に乗り越える道はない。」
(了)
テーマ:ラスト・フレンズ (長澤まさみ、上野樹里、瑛太出演) - ジャンル:テレビ・ラジオ
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