極限のドラマで成長する役者達【1】長澤まさみ
「極限のドラマで成長する役者達」と題して、「ラスト・フレンズ」に出演している役者について語ってみたいと思います。今回は、藍田美知留を演じる長澤まさみさんです。
長澤まさみ復活!
長澤まさみは、12歳のとき、「東宝シンデレラ」でグランプリを受賞して、芸能界にデビューした。
「東宝シンデレラ」でグランプリを受賞するということは、芸能界で最高のエリートコースが用意されることを意味する。東宝関係者に聞くと、グランプリ受賞者の扱いは別格らしい。映画・ドラマの出演はもちろん、他の面でも、東宝が全面サポートする。例えば、周囲のガードはかなり固く、おかしな男が近寄らないようになっているとか。スキャンダル対策も万全だ。長澤は、順調にスターへの階段を駆け上り、映画、ドラマで活躍し、一世を風靡することになる。
ところが、2007年夏あたりから、風向きが変わった。
出演したドラマの視聴率が芳しくなく、映画の興行成績もイマイチだった。特に、昨年末に放送された「ハタチの恋人」は平均視聴率が8%という大失敗に終わった。(私は、企画・キャスト・脚本・演出の問題だと思っている)
毎週日曜日、長澤がパーソナリティーを務める「長澤まさみ タイトル未定(仮)」というらラジオ番組がある。この番組で、彼女の肉声を聞くことのできる。今年初め、彼女は元気がなく、暗かった。エリート街道まっしぐらだった長澤まさみが、初めて味わった挫折だったに違いない。
そんなどん底の中での「ラスト・フレンズ」への出演の発表。しかも、その役が、DVでボコボコに殴られる女性ということを聞いて、大変驚いた。それまで清純派イメージを大切にしてきた長澤にとって、大きな方向転換であり、一種の賭けのように思われた。心配したファンも多かったに違いない。ラジオ番組での声からも、長澤自身、ドラマに対して、戸惑っていたり、動揺しているように感じられた。
しかし、「ラスト・フレンズ」が始まったらどうだろう。彼女の演技は本当に素晴らしい。藍田美知留を完璧に演じていると思う。回が進むにつれ、MIXIの書き込みなどで、「美知留を見ているとイライラする」「美知留にムカつく」などと投稿されるようになった。中には誹謗中傷に近い書き込みがあり、コミュの管理人が削除することもあったらしい。私はこれらの書き込みを目にしたとき、彼女が藍田美知留を完璧に演じている証拠だと思った。
美知留は普通の女の子である。他の登場人物達は、ある意味特別だ。一方、美知留はごくありふれた、どこにでもいそうな女の子である。また、DVの被害者になる人というのは、その加害者に振り回されしまい、周囲から見ると、優柔不断で、不自然と思える行動を取るものなのだ。懲りずに何度も宗佑のもとに戻っていくミチルの言動を見て、イライラする視聴者がいるということは、長澤がその役に完全に入っていることを意味している。演じきっているからこそ、演技を本当だと思われてしまう。これは役者としては大成功だ。
「ラスト・フレンズ」と「隠し砦の三悪人」の好調もあってか、最近のラジオを聴くと、すこぶる元気がいい。バラエティーに出演しても明るく元気だ。オーラが戻ってきた。
極限のドラマの中で復活した長澤まさみ。振り返ると、「世界の中心で、愛をさけぶ」の中でも極限の役を演じていた。演技者としての評価が高まったのはあのときだった。
「ラスト・フレンズ」を通じて、女優として、また、女性として成長した彼女の、今後の活躍に多いに期待したい。
(敬称略)
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テーマ:ラスト・フレンズ (長澤まさみ、上野樹里、瑛太出演) - ジャンル:テレビ・ラジオ
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